田村 祐一さん

Yuichi Tamura

9月の第4火曜日、C.school 第9回が開催されました。
今回の出演者は、銭湯の革命家・田村祐一さんと、熊本クラフトコーラ発起人・椿原ばっきーさんでした。

今回は、田村さんの講演をレポートします!

 

廃業寸前の銭湯を経営再建

 

東京・浅草のほど近く、料理器具で有名なかっぱ橋道具街の辺りにある銭湯「日の出湯」。かつて、この銭湯は2億円の赤字を抱え、経営の危機に陥っていました。この状況を見て、オーナーである田村さんのお父様は廃業を決意。これに待ったをかけ、経営再建マネージャーとして日の出湯の取締役に就任したのが、田村さんです。

 

優しかったおじさんに対する悪評

 

再建にあたり、お父様から与えられた条件は、3ヶ月で経営を立て直すことでした。期間も資金もわずかな中で、まず始めに田村さんが考えたのは「何が悪かったのか?」ということ。手始めにネットで口コミを見てみると、ある匿名掲示板に「接客が最悪」という文言が。

 

これを見て、田村さんは驚かれたそうです。なぜなら、前取締役は冗談好きの気さくな方だったから。「あの優しかったおじさんが、どうしてこんな評価を受けてしまったのか。」思い当たる理由は、おじさんがちょっと強面だったことくらいでした。

 

迫り来る期日。何か対策しなくてはと悩みながらも、何をして良いのかわからない・・・。とはいえ「接客が最悪」と言われているのだから、改善点はここだろう。そこで、接客を意識しながら受付に立ち続けたところ、客足がみるみる改善。3ヶ月後には1日100人を超えるお客様が集まる人気店になりました。

 

15秒で伝わる「感じの良さ」

 

田村さんが店先で意識したのは「いらっしゃいませ!」などの当たり前の挨拶をきちんと言う事。例えば、イートイン付きのコンビニで、会計後に「ごゆっくり!」と言われたら、嬉しくて通ってしまいます。

 

また、最初の2秒が大事だと、田村さんは仰います。犬は人が怖がったり、威嚇したり、緊張している様子を、見た目から本能で察知して吠えるそう。人間も同じように、視覚情報から本能で理解することがあるため、第一印象が大事なのだそうです。レモンや梅干しを見ると、何も考えなくても唾液が出るのと同じことですね。

 

このことを意識した結果「あそこのお兄ちゃん感じ良いから行ってみなよ。」という口コミでお客様が来るようになったのだそうです。

 

コミュニケーションの三輪車

 

更にコミュニケーションの質を上げるために、田村さんは「コミュニケーションの三輪車」についてもお話し下さいました。これは、コミュニケーション力を上げるために必要な3つの要素のことです。

 

一つ目は、マインドセット(心持ち)。これについては、相手を慮ることが大切だということです。相手の幸せを考え、接する相手に気持ちよく応対すること、つまり他者貢献の意識が、より良いコミュニケーションにつながるとのことでした。

 

二つ目は、テクニック(技術)。3つのテクニックを磨くことが必要とのことでした。

 

1. 笑顔で接すること

 

距離感を急速に縮めるには、笑顔が大事。初めての店に入ることは、誰でも躊躇します。そんな時でも笑顔で迎えられれば、緊張がほぐれますよね。

 

笑顔が大事と言われても「自分にはできない・・・。」と言う人がよくいます。しかし、笑顔は練習すれば誰でも作れるものなのだそうです。人間の顔の筋肉は約60種類。笑顔が作れないと言うことは、ただの筋力不足なのです。また、日本人は顔が平たいと言われており、表情が分かりづらいので、よりしっかり笑顔の練習をする必要があるとのことでした。

 

また、笑顔を作ると口角が上がり、声が半音上がって明るく聞こえるそう。電話に出るときも、笑顔を作るように心がけた方がいいですね。

 

笑顔で特に気をつけたいのは、目が笑っているかどうか。口角が上がっていても、目が笑っていなければ、逆に信用されません。こればかりは筋トレだけで身につかないので、スマホや鏡でチェックしながら練習する必要があるとのことでした。

 

スマホの待ち受け画面があるように、人間にも「待ち受け顔」があります。笑顔は元手がいらず、利益を莫大にしてくれるという言葉もあります。しっかりとした笑顔を練習しましょう!

 

2. 人の話を聞くこと

 

人間には口が一つ、耳が二つ付いています。耳の数はなぜ口の二倍あるのでしょうか?それは、話す量の2倍人の話を聞くため。コミュニケーションにおいて、80%は話の聴き方にかかっていると、田村さんは仰います。

 

話の聴き方で一番大切なのは、とにかく最後まで聞くこと。「その話、知ってる!」「その話、この前も聞いた!」このような言葉で人の話を遮っていませんか?また、揚げ足を取るのもNG。また、腕を組んで聞くのも威圧感を与えるので良くないとのことでした。

 

人の記憶に残るのは、内容よりも、どんな人が、どんな表情で、どんな態度で話し、聞いていたかだと田村さんは仰います。話を最後まで聞くということは、相手ときちんと向き合うこと。しっかりとうなずいていますか?どんな態度で聞いていますか?どんな表情で聞いていますか?意識しながら話を聞きましょう。

 

3. 褒め慣れること

 

「褒める」ということについて、おべっかを使っているとか、媚びているとか、下心があると思われるようで苦手だという人がいますが、そんなことはないと田村さんは仰います。褒めることは、ちょっとした気配り。大切な相手に「喜んでもらいたい」と思うから、良いところを見つけることです。

 

褒める技術として必要なのは、アンテナを立てること。外見、内面、センス、行動などから、良いところを見つけて伝えてみましょう。また、ボキャブラリーも必要。褒め言葉のレパートリーを増やすために、日々練習してみましょう。5分間で30個が目標です!

 

コミュニケーションの三輪車、三つ目は、慣れ!上記のテクニックを一生懸命練習し、実践し、そこに心持ちを添えることで、コミュニケーション力が一気にアップするんですね。

 

最後に田村さんが仰ったのは「10>3」ということ。10個いい話を聞くよりも、3個実践する方がためになります。ここまで読んで下さったあなた、ぜひこの中から3つ、実践してみて下さいね!

 

田村さん、ありがとうございました!

 

次回のC.Schoolは11/26(火) 19:00から!

 

出演者は・・・

●人見 久美子さん / 日本酒ソムリエ、アートディレクター、グラフィックデザイナー
   http://www.hicompany.jp/

●早川 祐三さん / 早川倉庫 3代目
   https://hayakawasouko.com/
これまた面白そうなお話が聞けそうです。
予定を空けておいて下さいね!

 

多彩な講師陣と私たちロジックメンバーと一緒に、あなたも「働くを楽しむ」についてともに学んでみませんか。
ご予約お待ちしております。

 

田村祐一/銭湯の革命家
東京蒲田にある銭湯「大田黒湯銭湯第二日の出湯」の跡取りとして生まれ育つ。 大学卒業後、家業である有限会社日の出湯に就職。 釜炊き、風呂掃除、薪集めなど、裏方の仕事を8年間続ける。2012年5月、創業の地である元浅草「日の出湯」の経営再建マネージャーに就任。 設備産業と言われている銭湯を、接客を通じて客数増加につなげ、設備投資をすることなしに、廃業宣言をされていた元浅草の「日の出湯」を立て直す。
日の出湯 HP: https://hinodeyu.com/
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